【3年間大事に育成した岩牡蠣の中で出荷出来ない牡蠣はどうするか?】
夏前に出荷が始まる、
舞鶴産は育成の岩牡蠣です。
海で養殖(表現的には養殖より「育成」の方が良いらしい)する海産物には、
必ず不必要なモノが沢山付着します。
正式な名称はハッキリと知りませんが、
外周を海藻類やフジツボ、ムール貝、ゴカイ、泥、等々。と得体の知れぬ産物が、
岩牡蠣の周りに付着しています。
見た目には岩牡蠣とは判別出来ない程に海藻類が付着しています。
岩牡蠣は出荷迄の3年間を、
海の中で育てますので、掃除をする必要があります。
特に厄介なのがムール貝です。
年に1回は掃除(バーナで焼却)しないと、
岩牡蠣を全て覆い尽くすほどの大きなカタマリになります。
掃除した後の1年間を海の中で育成した岩牡蠣です。
筏の上にコンパネを数枚敷き、
その上に岩牡蠣を引き揚げて数列並べます。
掃除には文明の力を使用します。
エンジンの高圧洗浄機を使用して掃除しています。
何とか・・・
海藻類の付着物を取り除くと見た目にも岩牡蠣だと判断出来ます。
高圧洗浄機を使用しても、
フジツボやムール貝を取り除く事は困難です。
ムール貝は、
夏場にバーナを使用して焼く事により発生を抑える事が出来ます。
厄介なのはフジツボです。
何とか簡単に剥離させる方法を考えている最中です。
高圧洗浄機で掃除した後に、
岩牡蠣を分離する作業があります。
分離するには、
冬場の真牡蠣と異なり、簡単には出来ません。
硬い岩牡蠣はタガネを使用したりエアーハンマーで効率良く分離しています。
分離する際に、
岩牡蠣同士が複雑に絡み合っている事もあります。
丁度、
人間同士お互いが握手をした様な状態で大きく育った岩牡蠣を分離すると、
どうしても片方の岩牡蠣を犠牲にする事もあります。
2個が固まりとなった岩牡蠣を出荷する事も出来ませんから、
無理にでも分離させています。
岩牡蠣は殻の一部を破損させてしまうと商品としての価値は無くなります。
自然の状態で育っていますので、
形も様々であり、数10個に1個の割合で、
分離作業においては殻を破損させてしまいます。
この様に、
岩牡蠣の殻が半分も破損する事もあります。
少しの破損個所であれば、
さらに1年間養生する事で牡蠣自体が自然と埋めてくれますが、
殻の根元や数cm以上の破損部分があると無理です。
商品として出荷する事は無理ですから、
魚の餌として与えてやるか、身が大丈夫ならば、
持ち帰って食べる事にしています。
分離作業の日は、
大体5個~10個程度を駄目にする事が多く・・・
ご近所で牡蠣が好きなご家庭にお裾分けしながら処分しています。
大半は殻の一部が破損しただけですから、
岩牡蠣の身自身は出荷する商品と全く一緒で、問題無くプリプリの大きな身です。
お裾分けした皆さんにも喜んで頂いてます。
季節限定で出荷している岩牡蠣です。
本日の6月28日から、
「舞鶴若狭道路」も試験的に高速料金が無料となりましたので、
是非、舞鶴市内のお店で「岩牡蠣丼」を食して見て下さい。